ドリップチューブとドリップペグの使い分けについて
ワンポイントアドバイス
水をポタポタと落として作物に水を供給するドリップかん水がずいぶん普及してきました。
トマトやピーマンなど葉っぱを濡らさない方が病気になりにくい作物では、このドリップかん水が多くなってきています。
またこの方式は肥料を水に混ぜてかん水することができるため、省力化と減肥も可能です。
一度にかん水するのではなくちょこちょこ水をやり、肥料も一緒ということで、多頻度少量かん水同時施肥がこれからの主流になると思います。
このドリップかん水は使用するかん水資材で大きく2つに分けることができます。
①ドリップチューブ
一定間隔にポタポタ落ちる点滴孔(エミッター)を内蔵するチューブがドリップチューブです。
チューブの径は16mmと12mmがあります。
点滴孔(エミッター)間隔も20cm、30cm、があります。
このエミッターには流量別に数種類あり、また圧力補正機能付(チューブの手前と奥でも同じ水量)、ボタ落ち防止機能付(同時に水が出て同時に止まる)などがあり、かん水目的や条件を考慮して選定します。
②ボタンドリッパーとドリップペグの組み合わせ
ボタン型のドリッパーは流量別に数種類あります。
また圧力補正機能付、ぼた落ち防止機能付きなどもあります。
ドリッパーはポリエチレンパイプに孔をあけ直接押し込みます。
そのままボタンドリッパーから出てくる水を利用する場合と、その水をチューブで受けてその先にペグ(杭)を取り付けピンポイントでかん水する方法があります。
ボタンドリッパーにとりつけるペグには、2分岐ペグ、4分岐ペグ、2+4で6分岐ペグなど取り付け可能です。
チューブ長は通常60cm、80cmですが、自分で組み立てれば任意の長さにすることもできます。
ではこの2種類の方式をどのように使い分ければよいのでしょうか?
使い分けは、大雑把に分けると
●連続した培地にはドリップチューブ(土耕栽培、連続したトレイ栽培など)
●独立した培地にはドリップペグ(ポット栽培、袋培地栽培、コンテナ栽培)
ドリップチューブはドリップペグ方式より安上がりです。
そのためポット栽培などでもドリップチューブが経済的とする考えもあるのですが、一定間隔に並べたポットや袋培地にエミッターの位置がピタリと決まることはありません。
ドリップチューブの材質はポリエチレンであり気温の変化による収縮、膨張も大きく、エミッターの位置が動きます。
また工業製品のドリップチューブも外国で作られているため、エミッターの取り付け間隔も微妙にバラツキます。
袋培地栽培でも初期はドリップチューブを使用していましたが、現在はドリップペグ方式に変わりました。
結論
ピンポイントでのかん水はドリップペグ方式、連続したトレイなどはドリップチューブ。
価格は、ドリップチューブ方式が安あがりですが、ドリップペグが近年増えています。