いろいろな液肥混入方式とその長所、短所と使い分けは?
1. 水源のタンクに液肥を溶かし直接ポンプで送水
水源のタンクで液肥を混合してポンプでそのまま送水する混入方式。
したがって混入器も何もいりません。
長所
安上がり、単純で故障の心配なし。
短所
少量の液肥では末端まで届かないうちにタンクがからになってしまうこともある。
水中ポンプや自吸式ポンプ(打ち込み井戸用)で末端まで直送している場合には不可能。
自動化には向いていない。希釈倍率の途中変更不可能。
大きなタンクが必要になります。
2 自吸式ポンプの圧力ゲージ取付け孔からの吸引方式
原理
自吸式ポンプには大抵サクション側に圧力計(バキュウムゲージ)の取り付け孔が設けられています。本来はここに圧力計を取り付けて負圧(真空の度合い)を測定するのですがここにコックをつけてチューブを伸ばして液肥を吸い込ませます。
長所
安上がり
短所
混入倍率は一定でない。
ただこれだけの液肥を畑に入れたい、希釈倍率などはあまり気にしないというのであればこの方法で十分です。打ち込み井戸で自吸式ポンプを使っている生産者でこの方式を使われているのを現場でよく見ます。
3. 比重置き換え方式
長所
安上がり。 家庭用などの小規模なかん水では一番安上がりな方法です。
仕組みが簡単です。
原理
水が流れるとAとBに圧力の差が生じ容器の中の液肥水と置き換っていきます。
短所
単純な方式で水量により注入量が変ります。また液肥の粘度や比重によっても混入倍率は異なります。水より比重の大きい液肥でないと使用できません。混入を始めたら動かしてはいけません。分離している液肥と水が混ざってしまいます。
最初と最後では混入倍率が異なります。
本管の圧力損失は大きいです。
正確な希釈倍率は望めません。
タンクの容量の制限があります。
液肥に色が付いていないと水と置き換わったかどうかわかりにくいです。
4. ベンチュリー方式
原理
パイプを絞って水の流れを速くし 負圧を生じさせここに液肥を吸わせます。
長所
安上がり 比較的低価格です。
水圧さえあればOKです。大きい口径のものまであります。
構造が簡単でメンテナンスが楽です。
短所
圧力損失が大きいです。十分な余裕圧力のある施設でないと使いにくい方式です。
流速が速くないと吸入しません。したがって水量が少ないときは流速が遅いため吸引しません。はす口を使っての液肥の手かん水などには水量が少ないため不向きです。
液肥の希釈倍率は本管の流量や水圧の変動の影響を受け一定にはなりません。
混入濃度の設定はあくまでも目安程度と考えるべきです。
5. 電動定量ポンプによる強制注入方式
原理
ポンプで本管に液肥を強制的に注入する方式です。ポンプはダイアフラムポンプや電磁ポンプなどを使用します。
長所
ポンプによって圧力をかけて注入 するため注入量の調整が可能です。
電動ポンプを使用するのでコントローラーなどと連動させ自動運転が可能です。
短所
本管の流量が変化する場合でも注入量 は調整しない限り一定の為希釈倍率が変ります。
電気がきていないと使用できません。
6. 水圧比例式 ドサトロン方式
原理
流れる水の水圧を利用してピストンを動かしその力で液肥を吸引させます。ピストンの往復動は水量に比例します。
長所
水圧のある水さえ来ていれば動きます。
電気は必要ありません。
混入倍率は水量、水圧の変化があっても設定された倍率で一定です。
使い方は非常に簡単です。
また手かん水などの流量の小さな場合でも正確な注入が可能です。DR6(取り付け20mm)は毎分0.2リットルという少ない流量でも確実に混入できます。
欠点
流量の制限があります。
過流量は故障の原因となります。
したがって流量によって機種の選定が必要です。大流量には口径の大きいものを使用する必要があります。
価格が高いのが最大の欠点です。
社長の意見
現場の条件や使用目的に合わせて最適な方式の混入器を選定する必要があります。
どういう使い方をしたいのかをはっきりさせれば液肥混入方式が決まってきます。
サンホープ・アクアは上記製品を扱っております。お気軽にご相談下さい。