ポリエチレンパイプと塩ビパイプの特徴と使い分けは?

かん水設備で一般的に使われているのはポリパイプと塩ビパイプです。 特殊な例としてグラスファイバーのパイプやアルミパイプもありますが一般的ではありません。 では一般的に使われるポリパイプと塩ビパイプの特徴と使い分けはどのようにしたら良いのでしょう。

ポリパイプの長所

耐候性が良く紫外線による劣化が少ない。

つまり露出した配管で太陽光にさらされていても大丈夫ということです。 柔軟性があり曲がり配管が可能です。細いパイプほど良く曲がります。
パイプが曲がるので施工は簡単です。多少のずれはパイプが吸収してくれます。 反面ポリパイプは柔らかくて曲がるので何かで支えてやらないと配管できないということになります。

化学的に安定していて農薬や肥料などの薬品に侵されません。

ポリパイプは溶剤で溶かすことができないため接着剤接合ができません。
機械的接合(ネジの締め込みやくい込みで止める)か又は熱で溶かしての溶着しかできないのはこのためです。

凍結しても大丈夫。夏の暑さでも大丈夫。

ポリパイプは柔らかいため凍結しても割れることはありません。 またハウス内で夏の高温にさらされても変形することはありません。 したがって露出配管に適したパイプです。

長尺パイプの製作が可能。

ポリパイプは太さによって1巻きの長さが変わりますが長尺の巻物で納品されます。
したがってぶん伸ばしの配管では継手がいらないため施工が非常に楽です。
また継手がないことは漏水の心配がないということです。

ポリパイプの短所

購入したくてもすぐに手に入らない。

塩ビ管であればどこのホームセンターでも購入可能です。 しかしポリパイプのISO規格品は大きなホームセンターでもなかなか見かけません。

継ぎ手が高い

接着接合のできないポリパイプはソケットや分岐などの継手部品は塩ビ用の部品と比べるとかなり割高です。
したがって継手の多い複雑な配管では割高になってしまいます。

購入単位が巻物での購入で少量の購入が不可能

いままでは30m欲しいのに60mの巻物を購入しなくてはなりませんでした。
これでは高くついてしまいます。サンホープ・アクアではポリパイプのm売りを行っています。

線膨張係数が大きい。

これは温度変化で伸びたり縮じんだりが大きいということです。 寒いとき真直ぐ配管したのに暑いときは蛇行するのはこのためです。
パイプが動くので角度をきっちり出すような配管には向いていません。

塩ビパイプの長所

どこでも手に入ります。

ホームセンターや管材店にはパイプのほかいろいろな継手もそろっています。 耐熱用や対衝撃用のパイプ、継手などもあります。

接着接合が可能です。

接着剤を塗ってパイプを押し込むだけで簡単に配管が可能です。複雑な配管も可能です。

塩ビパイプの短所

  • 紫外線劣化があり露出配管ではそのうちに色があせてきて強度がなくなり破損しやすくなります。
  • 4m(5mもあり)に長さが決まっているのでぶん伸ばし配管のときは継手が多く必要となります。
  • 曲がり配管ができません。 ハウスの屋根の曲がりに沿って配管するようなことはできません。 また塩ビパイプの無理な曲げ配管は漏水の原因になります。
  • 凍結や夏の暑さに弱い。 パイプ内に水が残っていると凍結時には割れてしまいます。 また暑いときは中の水が残っていると水温の上昇でパイプがくにゃくにゃに曲がって復帰することはありません。

使い分け

上記のポリパイプと塩ビパイプの長所、短所から以下のような使い分けを提案します。

  • 露出で長い距離を転がし配管する場合 ⇒ ポリパイプ
  • ハウス内での露出配管でハンガーセットなどのパイプが動いてもよいもの ⇒ ポリパイプ
  • 埋設し分岐などの多い配管 ⇒ 塩ビパイプ
  • ノズルなどを固定して角度をきちんと出す配管 ⇒ 塩ビパイプ
  • ポンプ廻りや混入器、フィルター取り付け部など継手が多い配管 ⇒ 塩ビパイプ

社長の意見

ポリパイプはドリルで穴を開けそこにいろいろな部品を取り付けることができます。 そのための部品も数多く用意されています。
塩ビパイプより使い勝手がいいことが多いのですがなかなかまだ知られていません。 価格的にもポリ配管と塩ビ配管は大差ありません。

ポリパイプをもっと知ってもらいたいと思っています。
自分で施工するとその良さがわかりますよ。