わかりやすいポンプの選定について
ポンプを選定するはどうしたらよいのでしょう。
ポンプは大きすぎてはエ ネルギーの無駄使いになりますし小さすぎては期待した仕事をしてくれません。大きなポンプをつけて圧力が高すぎるので減圧して使用している例もあります。 わざわざお金をかけて水にエネルギーを与えてそれをまた減圧して使用するのはばかげています。適正なポンプの選定が必要となります。
ポンプの選定にはまず以下の二つの項目をはっきり決める必要があります。
1.必要な吐出量 Q リットル/分
2.必要な揚程 H 水の高さ m
この二つの項目がはっきりすればポンプの選定はむずかしいものではありません。
ポンプには吐出量を横軸に揚程(水圧)を縦軸にとって曲線で表す性能曲線というものがあります。
必要な水量と必要な揚程(水圧)を結んだ線が性能曲線の中にあるようなポンプを選定すればOKです。
例 吐出量 150リットル/分 必要揚程 30m の場合 ⑥のポンプを選定すればよいことになります。
①必要な吐出量の決定。
同時に動くスプリンクラーの個数やチューブかん水の場合はチューブの長さで決まります。スプリンクラーでのかん水では同時に作動するスプリンクラーの個数に1ヶ当りの流量をかけチューブかん水の場合は同時に散水するチューブのm数にチューブの1mあたりの散水量をかければ必要水量が算出できます。面積が大きい場合は一度に全面積のかん水をしようとすると水量が大きくなりポンプの口径が大きくなってしまい経済的ではありません。また配管の口径も大きくなり施工も大変です。
いくつかのブロックに分けることをお奨めします。
②必要な揚程の決定。
末端で使用する散水器具、種類によって決まります。
スプリンクラーなどではスプリンクラー位置で最低0.2Mpa(2キロ)の圧力=20mが必要です。またドリップチューブなどは水圧はそれほど必要ありません。0.1Mpa(1キロ)の圧力=10m 程度の圧力でOKです。
パイプラインの配管ルートやポンプとスプリンクラーの位置や水源の深さ、取り付けるストレーナーの種類やサイズ、混入器の種類などによって圧力の損失が大きく変ります。
またポンプと散水器具の標高差が大きいときはその落差も考慮する必要があります。
したがって厳密にはちゃんと水理計算をしてポンプに必要な全揚程を求めます。
サンホープ・アクアでは水理計算のお手伝いもしますので簡単なレイアウト図をFAXいただければポンプの選定やパイプ口径の決定、見積もりも行います。
多くの生産者の方々から相談を受けています。
エイヤーとポンプを決めてしまうなら小規模で平坦という条件で必要な揚程は末端で使う散水器具に必要な圧力プラス15~20mを取っておけばまず問題になることはないでしょう。
注意
エンジンポンプの場合の性能表示には注意が必要です。
最大流量と最大揚程を同時に表示する場合が多いのです。
例) 最大流量250リットル/分 最大揚程 40m と表示
これを見て250リットル/分の時の水圧が40mと思われるかもしれませんがご注意下さい。
最大流量の時には最小揚程となります。
例えば250リットル/分の時には水圧は1m位
最大揚程40mの時には最小流量30リットル/分ということもあります。
次回は液肥混入器についてアドバイスします。