養液栽培の経済的なシステムについて

制御盤(コントローラー)、電磁弁、液肥混入器とドリッパーを使用した、経済的で使いやすいシステムの設計にはいくつかのポイントがあります。
今回はそのポイントをお教えしましょう。

経済的なシステムには液肥混入器をドサトロンとして、そのなかで一番小さいDR-6GLを使用することです。

①ドサトロンDR-6GLを使用する。

DR-6GLはドサトロンの中でも最も普及している機種で、価格も一番廉価です。
また故障が少なく使い勝手の良さには定評があります。

DR-6GLでは流量が少なすぎてうちの圃場では使えない(最大50L/分)との意見もあると思いますがその場合圃場をいくつかのブロックに分割し、順番にかん水すればいいのです。

②圃場面積が広い場合はいくつかのブロックに分ける。

養液栽培の場合は1回のかん水時間はせいぜい5~6分の場合が多く、いくつかのブロックに分割しても順番にかん水すれば4分割でも1回30分以内で終了します。
またドサトロンを使用した場合は各ブロックの大きさがまちまちでも問題ありません。
ドサトロンは流量比例式混入器ですから各ブロックの流量がまちまちでも混入倍率は一定です。

ブロック数があまり多くても、ひとめぐりするまで時間がかかりすぎたりしては使いにくいシステムになってしまいます。
ブロックの数は4ブロック程度が使いやすいと思います。

③一液混入か二液混入かを決定する。

液肥混入器を1台とし一液タイプの肥料を混入する方法と、液肥混入器を2台として二液タイプの肥料を混入する方法があります。

どの方式をとるか決める必要があります。
注意しなければいけないことは、通常は直列にドサトロンを2台つなぐことにより、圧力損失が結構大きくなることです。

圧力不足では液肥混入器は安定した作動ができません。
供給水圧と圧力損失分を考慮して大き目に設定する必要があります。
二液混合では0.1Mpaの圧力損失をみておく必要があります。

④コントローラーは何をコントロールするのかをはっきりさせる。

養液栽培用コントローラーは電磁弁を開、閉させてかん水をコントロールします。
かん水スタート時間とかん水時間だけ設定できればいい場合はタイマー機能だけあればOKです。
いちごなど水の量を多く必要とする作物の場合はタイマー機能だけという例が多いようです。

トマトなど水分を絞って糖度をあげたり培土を乾かし気味にして樹形をコントロールしたい作物の場合、水分制御コントローラー土壌水分計が必要となります。
これにより収穫前に糖度を上げることもできます。

また日射量に応じてかん水をコントロールしたい場合は、日射制御コントローラー日射計が必要となります。

高品質なほうれん草の栽培などで日射比例式コントローラーが採用されています。
また培土の肥料濃度ECを測定しECが高いときは肥料を制限し、水だけのかん水とするような制御を行いたい場合は、EC制御コントローラーECセンサーが必要となります。
夏場で作物が水分を欲しがっているとき、EC値が高いときでも肥料を与え続けると肥料やけをおこしてしまいます。

コントローラーについてはサンホープ・アクアのアクアタッチシステムで上記にすべて対応できます。制御方法の組み合わせも可能です。(水分制御とEC制御等)
カラーのタッチパネル(小型のコンピューター)にプログラムを組み込みました。
農家の皆さまの使い勝手も十分考慮して作られています。

アクアタッチシステムについてはこちらを参照ください。
現場に合わせて設計から施工までサンホープ・アクアにお任せください。