ハウス栽培ぶどう園での頭上かん水設置例

概要

生産品目、種別など

果樹(ぶどう)

圃場や栽培形態

ハウス栽培(30×57m、6連棟)

場所

千葉県香取市

施工時期

2021年2月

施工方法

設置作業は当社へご依頼

施工内容

導入の目的・内容

地表部での散水チューブ使用から、常設の頭上かん水への切り替え。

主な構成など

水源は新設の井戸(圧力タンクあり)。
半自動洗浄スクリーンフィルター(50mm)を設置。
ハンガースプレーセットによる頭上散水設備を常設とする。

主な使用部材

  • くるくる亭 楽太朗【RI050SA】
  • アルミ架台【アクアオリジナル】
  • ハンガースプレーセット【DN885、青ノズル、AM-B付、ストッパー無し】
  • ポリパイプ(外径32mm)【PP3226-060】

要所の写真と解説

(1)施工前の圃場

ハウス栽培のぶどう園のため、散水管理が必須です。
今までは散水チューブなどを使用するたびに敷設していましたが、除草など機械が入る際に撤去と再敷設が必要で、かなりの作業負担だったそうです。
これは、ハウス栽培に限らず、さまざまな果樹園でご相談いただく問題です。
頭上配管で常設できるといつでもすぐに散水が可能で、普段の作業の邪魔にもなりにくいというのが一番のメリットです。

今回、試験導入ということで、30m×60mほどの6連棟ハウスに設置していただきました。


(2)井戸新設、圧力タンク

導入対象の圃場の側に、井戸と圧力タンクが新設されました。
ここからハウス内に50mmのまま頭上散水用に引き込み、フィルターと接続します。

なお、今回使用するマイクロスプリンクラーは、取付位置での推奨圧力が0.2MPaです。
50mmのフィルター(くるくる亭 楽太朗)については、最高使用圧力:1.0MPa、最低洗浄圧力:0.15MPa、最大流量:416L/分となっています。


(3)ポリパイプでの頭上配管

SSでの防除作業などの際に、スプリンクラーが邪魔にならないような配管、配置とするよう考慮しました。
このため、枝管(ポリエチレンパイプ)はハウスの谷の部分に設置し、柱の近くにスプリンクラーがぶら下がるかたちとなりました。

6連棟の広さを5ラインでまかなうため、ハウスの両側面の散水量はやや少なくなりますが、今回の管理面では問題ないとのことです。


(4)半自動洗浄フィルター

フィルターは半自動洗浄タイプの「くるくる亭 楽太朗」を設置しました。
スクリーンメッシュが内蔵されていますが、普段のお手入れは、排水しながらゆっくりとハンドルをくるくる回すだけで完了できます。

(今回はインディケーターを付けずに、定期的に洗浄していただく仕様としています)


(5)スプリンクラーの高さ調整

スプリンクラー(ハンガースプレーセット)は、用途に応じて、各種パーツを使い分けています。
今回は「DN885」という逆釣り専用の定番タイプを採用し、青ノズル、アンチミスト付き、ストッパー無しという、比較的に平坦な果樹園向きの構成となりました。

なお、傾斜地の場合は「定流量タイプ」のスプリンクラーを使う場合もありますが、散水直径や分間あたりの散水量が抑えめになるため、用途に応じた選択が必要です。

スプリンクラーをぶら下げるブルーチューブは、作物や圃場に応じて長さをカスタマイズ可能です。
今回は2mのものを用意して、リピートタイなどを使って固定、ぶら下げ位置や高さを簡単に調整できるようにしています。

スプリンクラーの高さは、低くなり過ぎないように、かつ、葉や果実には水がかからない位置になるようにしてあります。


(6)末端はバルブ仕様

設計にあたっては、スプリンクラーの必要数、水源(ポンプ等)の能力などを考慮して、経済的な口径での配管やブロック分け(散水範囲の分割)をします。

当初予定では、1ラインか2ラインずつのブロックに分けて散水管理する仕様でした。
実際のところ、一度に散水するラインを増やすと(スタート部バルブの開け締めだけで調整は可能)、全体の水量が少なくなってしまいます。

ただし、状況によってはそれでも許容範囲と考えられたため、ポリパイプの末端をフラッシングバルブ仕様(自動水抜きバルブ)からコンパクトボールバルブ(手動で水抜き開閉)に変更することになりました。
これにより、水量・水圧が下がってもスプリンクラーが回りやすくなっています。