ミニトマト及びイチゴ袋培地栽培、アクアタッチシステム施工例

平成30年2月末竣工
千葉県千葉市土気

愛知県農業総合試験場で開発された袋培地栽培システムが
千葉県で初めて採用されてから6年がたち、同じ生産者がハウスを新設して規模を大きくして、ミニトマト、イチゴの生産を始めました。

この施設は平成29年度千葉県産地パワーアップ事業(国庫事業)で
国の補助金を受けて作られました。
計画から施工まで(アクアタッチシステム設置、養液かん水設備設置)をサンホープ・アクアがお手伝いしました。
ミニトマトエリアは袋を隙間なしに、ぎっちり並べた密植区域(40cmに4本)と間隔をあけての通常栽培)(80cmに4本)を行なう区域の2区画に分けています。

液肥混入ユニットはそれぞれ独立しています。
また、イチゴ栽培区は9月上旬に定植の予定です。
袋培地は直管パイプで作られたベンチの上に設置され、ベンチの下には低温時の暖房に使えるようビニールダクトが入るようになっています。
6年たっていろいろな経験を積み、システムも進化しています。

アクアタッチシステムは土壌水分制御から日射量制御に変わりました。
ハウス全体を一か所の土壌水分センサーで代表させかん水をするのは、少々無理があると判断したためです。
日射センサーによる積算日射量制御のほうがより現場で使いやすいと考えました。

袋培地設置状況

 

袋培地はベンチの上に設置し地面とは全く触れないようになっています。
これにより土壌に由来する病気や線虫の害を心配することはなくなりました。
土壌消毒という大変な作業もなくなりました。
袋培地の土はPH調整がなされ、また病害虫のない状態で搬入されます。

 

 

袋培地とトマト苗の植え付け状況

1袋30リットルのココピートをベースにした培地が入った袋を並べます。
袋培地も随分軽くなりました。
それにより運搬、設置作業が大幅に楽になりました。
並べた袋に4ヶ所の十字の切り込みを入れ、その上にトマトの無底ポット苗を置くだけです。
苗は埋め込む必要はありません。数が多いのでかなりの省力化になります。
ドリップペグ(ぽたぽたと水を供給する部品)でポット苗を固定します。
ペグが苗固定の役も兼ねます。

 

 

積算日射量でかん水を制御する方法ですが、日射量が少ないとかん水の指令が出ないときもあります。
タイマーで1回目のかん水はスタートします。

また、日射量に関係なくタイマーで動かすことも可能です。
かん水量が適正であれば廃液は全く出ません。
ハウスの中は濡れた場所は全く見当たらず、病害虫の発生もしにくく廃液を排出することがないので、環境にも優しいシステムです。

今回は混入ユニットから末端への配管は白色ポリエチレン管を使用しました。
また頭上配管として掘削して配管を埋め込むという作業は、一切なしのシステムとしました。
これにより作業性の向上と今後の配管系統の変更にも楽に対応可能です。

白ポリパイプは温度が上がりにくく、露出した配管でも作物に悪影響が出にくいことは確認されています。
4分岐のドリップペグも白色ポリチューブタイプを使用しました。

 

アクタッチシステムの液肥混入ユニットのコントローラーです。
コントローラーはカラーのタッチパネルを使用しており、直観的操作することができます。
かん水時間の設定など数字の設定はテンキーにより簡単に設定可能です。
通常のタイマーにはないグループ分けという概念も採用しました。

とにかく使用する立場にたって使いやすいように作り上げました。
(弊社でプログラムを含めて自社制作しています。詳細はアクアタッチシステム参照)

 

液肥混入器ドサトロン設置状況

DR6GLを直列配置とし2液混合としました。
蛇口、フィルター、バルブ、電磁弁、逆止弁、圧力計などを設置しました。
できるだけコンパクトにまとめて場所をとらないようにしています。
架台はアルミパイプを使用して耐久性と使いやすさを考慮しました。
液肥タンクをユニットの下に置き前に引き出すことができるような架台構造としました。使い勝手を第一に考えています。

 

 

定植が3月中旬でした。
約2か月と少しの日数が過ぎた状況です。
収穫も始まっており順調に生育しています。
トマトの味もとても濃くおいしいトマトができています。