点滴かん水による定圧弁と定流量弁の使い分けは?

かん水施設の水源の種類によっては供給される水圧が一定しない場合があります。

共同使用の水源の場合は使用状況が一定でないため日によってまた時間によって供給される水源の水圧が大きく変動することもあります。
またポンプによる給水では使用する水量の変化で圧力が高くなったり低くなったりします。
つまりポンプの性能曲線から水量が大きくなれば水圧は低くなり水量が小さくなれば水圧は高くなります。

水圧の変化はスプリンクラーのかん水では回転が速くなったり遅くなる程度でそう大きな問題にはなりません。
またポンプが連続運転している場合は圧力変動はそれほどありません。
しかし少水量でかつ低圧で使用する点滴かん水チューブや液肥を混入するシステムでは問題が起こってきます。
つまり水圧の上がり下がりで点滴チューブが破損したり液肥の混入量が一定しないなどです。

これを防ぐために定圧弁(減圧弁)を取り付ける必要があります。
定圧弁は1次側圧力の変動にかかわらず2次側圧力を設定圧力にするものです。
定圧弁は減圧弁とも呼ばれ一般的なものはスプリングとダイアフラムで構成されています。
これに対し定流量弁は1次圧力の変動にかかわらず2次側に流れる流量を設定流量にするものです。
つまり流量を圧力の変動に関わらず一定にするということは流路を絞って減圧していることですから減圧弁の一種であることは間違いありません。
しかし流量を一定にするためのもので流量は可変ではなく固定されています。

一般的なものは圧力によって変形する可変オリフィスやスプリングとニードルを使用しています。 点滴かん水の流量に合わせて定流量弁を取り付けるのも1方法ですがしかし精度の高い定流量弁は 口径の小さいものでも高価なので定圧弁(減圧弁)をお勧めします。 また点滴チューブをいくつかのブロックに分けている場合はブロックの面積によって流量が変化するので 流量固定でなく圧力を設定する定圧弁がよいと思います。

定圧弁の選定に当たっては1次側の水圧力がどのくらいなのかまた2次水圧をどの程度に減圧するのかによってスプリングの強さが変わります。
パンフレットやカタログ等から選定して下さい。
また2次圧力の測定ができるように圧力計をつけておくことをお勧めします。

後付可能なTS検圧計、TS検圧ノズルをお勧めします。
施工例:サンドフィルター設置例 養魚場循環ろ過用サンドフィルター参照