日射比例制御、硬質ドリップチューブを用いた導入事例

概要

運営者の種別など

農業試験場

圃場や栽培形態

土耕栽培(きゅうりなど)

場所

関東地方

施工時期

2024年8月

施工方法

当社へご依頼(ドリップチューブ設置を除く)

施工内容

導入の目的

日射比例制御方式のコントローラー(複合制御からは独立)を用いた、養液土耕栽培での各種試験のため。

主な構成など

9m×41mのハウスの中央を横切るかたちで通路をとり、2ブロックに分ける。
1ブロックあたり4畝(1m×15.5m)とし、ハウス2棟で合計4ブロックを液肥混入ユニット×1セットで管理する。
かん水制御は、日射比例方式のコントローラー(アクアタッチ・システム)を用いて、日射量の積算値に応じた自動かん水をおこなう。
液肥は流量比例方式のドサトロン(DR-6GL)を直列で繋げた2液式とする。
本管・枝管の敷設は、白色ポリエチレンパイプを用いた頭上配管を中心として、2棟のハウス間をつなぐ配管もポリエチレンパイプを使用、地中に埋設して露出部を最小限に抑える。
各畝に1本の硬質ドリップチューブ(かん水間隔:20cmピッチ)を敷設する。

主な使用部材

  • 白ポリエチレンパイプ(外径20mm/25mm)【AK-WPE20100など】
  • ポリエチレンパイプ用樹脂継手(エルボ、チーズ等)【各種】
  • 樹脂製コンパクトボールバルブ、樹脂継手【各種】
  • 硬質ドリップチューブ用継手(スタート、エンド)【PL-HYDMA1613、TPELP-16】
  • 硬質ドリップチューブ(20cmピッチ、1点滴口あたり1.75リットル/時)【PL-ND1620K】
  • ディスクフィルター【各種】
  • ドサトロン(液肥混入器)【DR-6GL×2台】
  • アクアタッチ・システム【要お問い合わせ】

要所の写真と解説

(1)施工前

ユニットの設置場所、配管位置、ベッドの幅、などを改めて確認し、施工に入ります。

今回は、2棟並んだハウスの片方にだけユニットを設置、4系統を一元管理するため、ハウス間をポリパイプで繋ぐ必要があります。


(2)液肥混入ユニット

今回のユニットではドサトロンを2台、直列で繋いでいます。
これは、種類や希釈倍率の異なる養液を組み合わせて使うシンプルな方法です。
2液を個別のタンクで管理できるので、混ざり合って固着するのを予防したり、一方を使わないときは水だけを通過させたりしやすい(バイパスキットが必要)構成です。
(逆に、2液を系統ごとに使い分けるなど、高度な管理をしたいときは並列配置が向いています。)


(3)白いポリエチレンパイプでの頭上配管

ユニットからの配管は、外径25mmのポリパイプを頭上に通し、各ブロックまで延ばします。
異径チーズやコンパクトボールバルブなどを経由して、外径20mmのポリパイプで各畝の枝管を地面まで下ろします。
ユニットを設置したハウスは、中央通路を挟んで手前側と奥側との2つのブロック(系統)に分かれています。


(4)2棟目のハウス内

隣のハウスも同様に2つのブロックで管理されます。
ユニットが先ほどのハウスと共用のため、そこからポリエチレンパイプを延長して、それぞれ引き込んでいます。


(5)硬質ドリップチューブ用の継手

使用するドリップチューブの口径に合わせたものを使います。
硬質チューブの場合、スタートオスアダプターとエンドプラグを使用します。

スタートオスアダプターは片ネジ仕様のため、樹脂継手や塩ビ継手などと容易に接続可能です。(口径を合わせる際はブッシング等を使います)


(6)チューブの敷設と通水試験

ノンドリップタイプの硬質ドリップチューブは、圧力補正機能で点滴口から出る量が安定していて、ボタ落ちもしにくい構造です。
軟質チューブと比べて耐久性も高く、長期間の繰り返し利用が可能です。