トマト袋培地栽培 PF計を使った水分制御システム施工例

概要

愛知県農業総合試験場で開発されたトマト袋培地栽培システムが千葉県で初めて採用されました。
計画から施工の一部(液肥混入システム設置等)をサンホープ・アクアがお手伝いしました。

袋の設置や給水ラインのバルブの2次側以降の配管、ドリッパーの設置は生産者の方が自分で行いました。
トマト袋培地栽培システムは安価で簡単な設備で失敗の少ない高品質のトマトが生産できる栽培方法です。また廃液の少ない環境にやさしいシステムです。
土壌の病気や線虫などの影響も受けません。耕運機などの機械も必要ありません。水分センサーと施肥・かん水制御盤によって多頻度少量かん水が自動で行えます。

詳細は 袋培地栽培システム研究会のホームページ をご参照ください。 サンホープ・アクアはこのシステムの有利さに注目し袋培地栽培システム研究会の発足当時からのメンバーです。 今回千葉県で初めての施工例となりました。

ドサトロンと施肥かん水制御盤設置状況

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液肥混入器ドサトロンと施肥かん水制御盤設置状況。

液肥混入器はDR-6という取り付け口径20mmのタイプを使用しています。

面積によってはDR-7、DR-8のタイプも使用します。

 

袋培地とトマト苗の植え付け状況

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袋培地とトマト苗の植え付け状況です。

1袋30リットルの培地が入った袋を並べ袋に切り込みを入れその上にトマトのポット苗をポットの底をカッターで切り取って置きます。

苗は埋め込む必要はありません。 置くだけです。根が袋に伸びていきます。

1作終了時にこのポットの底の根をカッターで切り取りその上に次ぎの苗を置きます。 5年位使用することが可能です。

 

水分センサー

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水分センサーを袋に差し込んでPF値(乾燥具合)を測定します。

ケーブルで制御盤に接続されリアルタイムで水分量が表示されます。

PF値の設定以下の場合は散水時間となってもかん水はキャンセルされます。

水分制御によって品質の高い高糖度のトマトの生産が可能です。

 

ポット苗とドリッパーの設置状況

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ポット苗とドリッパーの設置状況です。

ポット毎に1個のドリッパーを設置します。ドリッパーからぽたぽたと落ちる水滴は各ドリッパーから均一に出るようになっています。

培地の入った袋は特殊な加工がされており空気は通すが水は通さないという構造となっています。 したがって呼吸する袋ということができます。コンテナなどよりも植物の根にとって良い環境で根張りも良好です。

 

4分岐のドリッパー

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今回はスペースの関係もあり1袋に3ポットの植え込みとしました。

ドリッパーは4分岐となるため1本は袋に直接設置しました。

袋の脇に配管したポリエチレンパイプに穴をあけ4分岐のボタンドリッパーを差し込みます。

このボタンドリッパーは一定の圧力以上にならないと水が出ません(ストッパー付)。したがって水圧がなくなってもボタオチがありません。

 

液肥混入器ドサトロン設置状況

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液肥混入器ドサトロン設置状況 DR6を直列配置とし2液混合としました。

蛇口、フィルター、バルブ、電磁弁、逆止弁、流量計、圧力計などを設置します。

難しい機器は使用していません。 生産者の皆様でも十分施工可能です。